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不埒

まっすぐ立ってフラフラ歩きたい

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マージナル

萩尾望都のMarginal読んだ。再読だけど。
すごいね。ほんとすごい。本格SFといえるだろうし、話として、世界としての整合性が完璧。そして何より、何(十)年も前の作品なのに今読んでもまったく古びなくて説得力がある。SFなのに!
SFって、未来を先読みして書いたというていのものなので、その予想が外れてたりすると後世では読めたもんじゃないんですが、寧ろ今更に強く現実的になっている問題が取り上げられている。その先見の明だけがすごいのではないんだけどね。ただ予想が当たっただけというのではなく、世の中そのものの本質を突いてるから古びないんだと思う。
「脳。この生殖に不必要で邪魔なもの」
まさに、これだわ。
生殖活動において、脳の発達なんて邪魔にしかならない。本能のままに行動してこそ、自然に繁殖が繰り返される。それが生物。
最近たまたま考えてたんだけど、わたしもそういうの。女性の婚活ブームに対し、男性は非婚主義が進んでいることとか。それって、脳が発達しすぎたせいで恋愛重視の女性の欲求が増す一方、男性の異性への最大の欲求である性欲は本能とともに縮小して・・・みたいなこと。
が、もうそんなことわたしが書くことないわ。全然ないわ。そんなみみちい視点じゃなくて、ぜーんぶ飛び越えて大局的に答えを出してくれてるんだもの。本当に、萩尾望都には圧倒されるしかない。
Marginalは漫画としてはちょっと読みにくいけどね。内容の難しさとキャラクター性が控えめなせいで。しかし、アーシアン(高河ゆん著)がMarginalとW3の劣化パクリって言われるのも仕方ないよねえ・・・。劣化って言うか、バカにも楽しめるように描かれたってことなんだけど。キャラクター性と感覚的なモノローグに特化したオタク漫画。

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