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同性愛の話ではなく。
オスカルが凛々しすぎる。個人的に彼女は凛々しく立つ一輪の百合なんだけど、薔薇。あくまで薔薇。
草むらに名も知れず咲いている花ならば ただ風を受けながらそよいでいればいいけれど
私は薔薇のさだめに生まれた 華やかに激しく生きろと生まれた
ああもう! 痺れるわ!! 昔のはアニメソングでも文学的。美しすぎる比喩! 世界観をちゃんと美しい歌詞にしてくれる!
ベルサイユの貴婦人たちがこぞってオスカルに恋するのは至極当然! かっこよすぎるもの。美しくてかっこよくて品があって、凛々しくて強い信念があって、強い。これ何て王子様・・・。あれに惚れなきゃ女じゃないわ。しかもそれでも結局は女だという安心感があるからね。女であるがゆえに、女に対し男より紳士的。
そしてそのオスカルがフェルゼン伯に惚れるのも当然・・・。フェルゼン伯もかっこいいもの・・・。オスカルすら受け止められる器があるもの・・・。オスカルとはまた違うけど王子様。例えるなら・・・流川と仙道? 違うな。リョーチンと牧さん・・・でもないし、魚住と赤木先輩? って、別にスラムダンクで例える必要はない! えーと、ジョーと力石? あ、それでいいわ。うん、どっちも全然王子様じゃないけどしっくりくるわ。
しかし、フェルゼン伯はアントワネットを愛し、アントワネットも彼を愛し、オスカルの恋は報われない・・・。ああ、それも当然・・・。勿論、アントワネットも王妃だから、結局は公的にはフェルゼン伯とは結ばれないんだけどね。それが運命。
身分による差別なんていけませんて、そんなこと、現代では当然の正義のように言われてるけど、そんな一言で何もかもシャットアウトできる話じゃないでしょう。平民には平民の苦しみがあったように、王侯貴族にはそれゆえの不自由も義務も覚悟もあった。
この話の中では、身分は運命と言い換えられる。生まれつき決まっている理不尽。その中で、どう生きていくか。これは、それぞれの身分・環境に生まれた女たちの生きざまの話。
こんな話、当時の女の子たちは理解したの・・・? アントワネットに憧れて、オスカルに恋焦がれて、町娘のロザリーに何とか自分を重ねて夢を見たの? そして次から次へと襲い掛かる運命のいたずらに胸を潰したり躍らせたりしたの? ああ、そうか。そういうものかも。
オスカルを主人公に置いたというのが、この漫画の素晴らしさだと思う。読者の共感をただ得るためなら、町娘から貴族へと、本来の血筋と努力と幸運で上りつめるロザリーを主人公に据えれば良かったのに、そうはしなかった。彼女が主人公であれば、少女向けの物語としてあまりに陳腐ではあるが、わかりやすいエンターテインメントだったのに。
パリの下町に生まれたロザリー。病弱な母とロザリーを置いて、野心に燃える上昇志向の姉ジャンヌは何とか貴族との縁を繋ぎ、手練手管でのし上がる。残されたロザリーは、母を貴族の馬車に轢かれて亡くし、謝罪もなしに去っていった憎い仇の貴婦人に復讐を誓う。ナイフ片手にひたすら歩いてたどり着いたベルサイユで、オスカルと出会ったのが、彼女の幸運だった。オスカルによって復讐のための剣技を磨き、且つ宮殿への出入りまで果たす。そこで見つけた仇の貴婦人は、たやすく復讐を果たせる相手でなかっただけでなく、何と、自分の生き別れの生みの母だった。その実母に政略結婚を迫られ自殺する種違いの妹を目の当たりにもし、更にその妹の身代わりに今度は自分が利用されかける・・・。
と、ざっと前半だけでも充分に数奇な運命。少女漫画の主人公としては不足はない。
或いは、、ロザリーの血のつながらない姉ジャンヌでもいい。彼女はその成り上がり志向と行動力で王妃を巻き込むスキャンダルまで演出し、民衆からカリスマ的に崇められ、終身刑で投獄されるも脱獄、最後は―――自死。そんな人生だって、物語の中心軸としては充分ではないか?
しかしそれでも、やはりオスカルだ。時代のうねりの裏も表も語られるこの壮大な歴史絵巻は、貴族として生まれながら平民の心も知り、女として生を受けながら男社会で男よりも男らしく雄雄しく生きるオスカルが主人公でこそだ。揺れる時代、その中で、男と女の狭間にいながら、揺れることなく自分の道を踏みしめ進むオスカル。この主人公を生み出し、描ききったことが本当に素晴らしい。
もう本当に、何事かと。何でこんなかっこいい女が描けるのかと・・・。
原作は読んだことないんですけど、ベルばらも監督出崎さんなんですね・・・。その他にも、主要スタッフにはあしたのジョーで見た名前がちらほらと。確かに、似てるもん。絵も、構図とか表情とか小物の入れ方とか。あの、物に思いを写す描き方が。それがすごくいい。
エースをねらえもだけど、出崎さんは孤高の・・・というか、自分の道を突き進んで燃え尽きるような主人公が好きなのかな? 突き進むというか、上りつめるというか。ていうか、わたしは大好きなんだけど。
信じる道を究めて、決して報われない。最後にはすべてを失う。ああ、そうだわ。わたしはそういうのが好き。だから恋愛漫画ならかわかみじゅんこだし、ジョジョ2部はカーズが好きだけどあのラストは決して悲劇ではない。いや、荒木さんがどういうつもりかは別の話として、ね。ヒーローは消えるものだとも思ってる。ヒーロー自身は役目を終えたら消えるの。そういう美学。という話は、また今度にしようか。
この記事最初書き始めてから中断してまた書き始めるまでに、ベルばらかなり観進めてしまったので、途中でちょっと見方が変わっててごめん。
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