不埒

ネタバレなので、続きに。

「悪人」は殺人を犯してしまった男が出会い系で知り合った女を連れて逃避行するようなしないような話で、でも殺された女も素行が悪くてそんな女を山に放置したボンボンも人間としてどうなのよみたいなことがタイトルの言わんとするところだと思うんですけど、全員結構自業自得レベルの目に遭ってるだけなんですよね。で、殺された女の父親が、山に放置した男に復讐を企てるシーンもある。
それ例えば、最終的に手を下した犯人が、情状酌量の余地もあるのに極刑に処されたりして、父親は娘を放置した男がお咎めなしであることが許せずに復讐を企て、実行犯の恋人が父親に復讐の協力を申し出る、みたいな話にしてもよかったのでは？ 私の頭ではこのくらいしか思いつかないけど、「そんなこと2時間もかけて言われなくても知ってますけど？」ってくらいの薄い内容で、何かもっとひねれなかったのかと。
実行犯の恋人が復讐に協力する過程でその恋人にも実行犯を殺人に駆り立てた言動があったことが発覚したり、そもそも父親だって娘の育て方に失敗してるだろとか、復讐のために別の罪を二人で犯してしまうとか、色々テーマに関わる掘り下げはできると思うんですけど。山に放置した男はクズのスネかじりだけどその親は人格者で、息子に償わせ自分も償うスタンスだったのに、二人の復讐者がなりゆきで殺してしまったりさあ。しかもそれがちょうど息子の改心の兆しが見えた頃で、息子を新たな凶行に走らせてしまったり。極刑が確定した筈の主人公の再審請求が通った時は既に遅かった、みたいなのもできるし。
何であれだけの内容の映画を撮ったのか？ 見たことがバカバカしくなる作品でした。

あっ、とうとう「メメント」見た！ 全部見た！ 途中で混乱してついていけなくなったけど、オチは知ってたので大丈夫！ これ、話を最後まで追える人には面白いんだろうなー。無理です。私の頭では無理です。