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不埒

まっすぐ立ってフラフラ歩きたい

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こわい

さすがにこの年になると、いわゆる怖い話、つまり怪談だのホラーだのオカルトだのは、せいぜい「ああ、怖い話だなあ」「よくできた話だなあ」と楽しむ程度です。
話として怖がらせるようによくできてるね、とね。だからどっちかってと、面白い話ともいえる。
そういうんじゃなくても、性癖として残酷なものを好む人がいるじゃないですか。ああいう人向けのものはね、実話でなければ、気分悪いなくらいしか思わない。あと、興味本位でこんなもんで喜んでるやつバカだなとか。
しかし、わたしにも怖いと思う漫画がある。心底怖い。内臓から拒絶反応がくるほどの恐ろしさ。
やっぱりね、リアルな話が怖いですよ。自分にも起こりうるというか、因果応報なんかじゃないひどい展開と、ただの話とは思えない強烈なリアルさ。リアリティってより、リアルって言葉がしっくりくるわまじで。
世間ではウシジマくん だのブラッドハーレーの馬車 だの多重人格探偵サイコ だのを鬱漫画だって挙げるんだけど、あれ、結局は単なるお話じゃないですか?
作者の言いたいことが伝わってくる話。テーマを表すためにまとめた話。(それが悪いという意味ではもちろんなく)


この世で最もリアルで残酷な漫画を書く漫画家は、ももち麗子です。
一応、本来の体(てい)としては、青少年への啓発漫画なんですが・・・・・・。完全に、度を越してる。描写がエグすぎるしリアルすぎる。どう見ても薄っぺらい少女漫画のキラキラ絵 なのに、何なんだあのありえないリアリティは・・・・・・。
「鬱漫画」なんて言葉が嫌いなわたしですが、この漫画に対して言うなら・・・否定できないかも・・・・・・。
この表現で伝わるかどうかはわからないが、本来の意味での赤頭巾やハーメルンの笛吹きの現代版です。
たとえ何にも悪くなくてもちょっとしたことで最悪の事態に落ちてしまうことがあるから本当に本当に特に若いうちは気をつけないといけないんだよ!!と、本気の本気の本気の全力でしかし淡々と思い知らせにかかってきます。
しかも、どんな酷い展開も描写も、作者が野次馬根性や好奇心を惹きつけるためじゃなくて本気で書いてるのがわかる。もうな、あれ怖い。凄い怖い。
何が他と違うかというと、それは、現実にしか思えないという点です。「ありそうな話」なんてレベルじゃないの。現実としか思えない。酷い事件の報道を見て、腸が煮えくり返るのと同じ気持ちになる。

その中でも、わたしが最も怖いと思うのが、

「神様に見捨てられた20日間―監禁事件の行方」
です。

ものすごく簡単に言うと、何も悪くない若いカップルが、その正義感ゆえに、残酷という言葉でも余りあるほどの地獄のような目に遭う話です。

本気で吐きそうになった・・・。どうやら、「読んで吐いた」という感想も続出のようで、凄い納得です。
あんな怖くて気持ち悪い話見たことない。
子供の頃、楳図かずおの「女とかげ」が気持ち悪くてでも気になるので友達に借りたんですが、触るのが嫌で妹とどっちが返しに行くかケンカになったことがあります・・・。この本も、触るのも嫌になりました。でも、気になるから読んでしまう・・・・・・頼むからこのまま終わらないでと祈りつつ最後まで読んでしまう・・・・・・。
しかし手元にあるとそれだけで暗い気持ちになってしまうので、いつも立ち読みです。

で、この漫画のレビューを書こうと思ったのですが、上のリンクのAmazonレビューに十分書かれてたので、まいっかと思った。別にわたしが書くことないわ。
ただ気になったのは、これって、他の作品みたいに「問題提起シリーズ」とは思われてないんですね。作者の性癖を満たすために描かれたみたいな意見が結構あるようだ。というか、ファンの間での公式見解のようだ。
そうなのかー。わたしは、でも、こういうことありうるよ!!!と、ものすごく若い子に注意してほしい気持ちになったけどな。ていうか、注意しようもないけどね。主人公何も悪くないしね・・・。
それに、若者たちがこれを読んで嫌悪感を覚えてくれるのは、ある意味喜ばしいことだな。

しかしこの話の凄いところは、最後はハッピーエンドだということなんだよ!!!!
まさかのハッピーエンド。主人公たちは歴代ジョジョにも劣らない正義の心だった・・・・・・。

わたしがこの人の作品を最初に読んだきっかけは、生徒に薦められたからなんですけど、その時一緒に借りたのが「ピーチガール」でした。
すげえギャップだよ・・・・・・。ピーチガールではレイプ的描写はスパイスだもんな・・・・・・。いや、それが悪いわけじゃないんだけどね。ギャップにめまいがした。

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