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不埒

まっすぐ立ってフラフラ歩きたい

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どないっせいっちゅうんじゃい

お久しぶりです。今日はちょっと長いエントリを書いてみる。

以下、ネタバレだからたたむ。

ごんぎつねって話があるじゃないですか。わたしは、小学校の教科書で読みました。4年生だったかな。
確かそのとき、「ごんぎつねは最後に何を思ったか」みたいな問いを先生から出された。
んだけどさあ。

ここで、ごんぎつねの粗筋を。(↓反転↓)

いたずらぎつねのごんは、ある日、兵十という村の男が捕っていたうなぎを逃がす。
実はそのうなぎはどうやら、兵十が病気で長くない母に食べさせようと捕ったうなぎだったと、その母の葬式のときに知るごん。
独りぼっちになってしまった兵十を自分と重ね、悪いことをしたとごんは後悔する。そして、罪滅ぼしのつもりで、兵十の家に、山で取れた食べ物などをこっそり置くようになる。
そうして毎日種々の品を持って通うごんだったが、それをある晩、兵十に見つかってしまう。
兵十にしたら、母のためのうなぎをかっさらった性悪狐ということで、恨み心頭、ごんを火縄銃で撃ってしまう。
しかし、そこで兵十は気づくのだった。倒れたごんの腕から落ちた、栗の実に。
「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは」
しかし、ごんはもう動かないのだった。

もっと知りたい人は、http://underzero.net/html/tz/spm_03_02.htm#gon ←ここいってくれ。

何ていうかね、辛い話なんですよ。救いがないんですよ。でも、いい話なんですよ。確かにいい話。
ていうことで終わっても、まあいいとは思うんだけど、あえて、考えてみた。
この話は、何が言いたいの? 子供たちに、どんな教訓を与えたいの?
だって、教科書に載ってるんだもん。

書いた人はまあいい。わかるよ。いい話として成立してるもん。
でも、教科書に載せた人は、一体子供たちにどう思ってほしいんだ。
こんな悲劇を迎えないために、ごんは、どうすればよかったのですか。子供たちにどうすべきだと教えたいのですか。
もしくは、
「罪を償うなら決して表には現れず理解されることなど期待せず、死の覚悟で臨むべし!!」
みたいな、リサリサ先生ばりの硬派な生き方を推奨してるのか??? 子供たちに??

↑これは、わたしの出した答えなんですが、さすがにそれも何なので、ダンナに相談してみた。ドMだけどピュアな社会人に聞いてみた。

とりあえず原点に戻って、ごんは一体どうすべきだったのかを考えてみた。
しかしこの話、実は考えれば考えるほど、深みにはまる話なんですよ。

まず、ごんの何がいかんかというと、うなぎを横取りしたとこですよね。人のもんを盗るのはいかん。
しかしだ、ちょっとここで引っかかることがある。人のもんを盗むのがいかんのは確かにそうなんだけど、うなぎを盗んだのと母親の死には、因果関係があるのか? ていうか・・・死の床に就いた人に、うなぎって・・・そんな濃いもんを・・・。いや、母親が好きだったのかも知れんけども。食べさせたほうが寿命が縮まったのではという気もしなくはない。
何で作者はここでうなぎを選んだの? ここが謎。
もっと他のもんでもいいじゃないの・・・たけのことかさあ・・・。きつねが食べるものだからかな・・・。でも、ごんは別に盗んだからって食べる気はなかったみたいなんだけど・・・。

で、恩返しが始まるわけですが、実はこれ、そんな一筋縄ではいかなかったんですね。
粗筋では省略したけど、ごんは最初、近所の畑から勝手にとったものを持っていったせいで、兵十は泥棒と間違われて畑の持ち主にボコボコにされてます。
そしてその後、兵十は神様のお陰だと思ってて、ごんはそれが不満だったりする描写もあったり。

そんな不満を感じつつも、ごんは恩返しを続けます。こっそり。あくまでこっそり。
「ていうか、何でこっそり? 謝ればええやん」
これがダンナの第一の疑問!
でも確かに、こっそりのせいで兵十は泥棒扱いされたし、神様の仕業にされてごんも不満に思ったり、結果、恩返しのつもりが伝わらずに撃たれて死んだり。
ここで「ごん、お前だったのか」という兵十の心情たるや・・・! 母を失いその敵と思って撃った狐が実は・・・なんだこのやるせなさ。

それら全てを説明して、二人で考えた結果、ダンナの意見で、
「まずはちゃんと話し合おう! とりあえず謝ろう! 
ごんは狐だからできなかったけど、ぼくたちはできる!
言葉って素晴らしい!! 人間すげえ!」
というのがテーマだということで合意がなされました! 素晴らしい!! みんな、ちゃんと話し合おうネ! 僕たちには言葉があるんだから!


でも、今書きながら、
たとえ悪事を働いていても、強い意志で改心・更正する姿は美しい
というのがテーマじゃないかという気がしてきたが、それはまた別の話。

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