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不埒

まっすぐ立ってフラフラ歩きたい

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なのはな


「なのはな」 (萩尾望都/小学館)

うーん、そうなの? かなあ?

なんだか、そうでもないような。
萩尾望都のSFは、いつも見事なメタファでしかも構成でも全く古びないのが素晴らしいというのが私の持論なんだけど、これは、どうだろう? 今の時点で既に、私からしたらそうでもないような気がするよ。
あ、3.11からの原発への不安を表現した作品だそうです。

結局この違和感て、被災者とそれ以外の間にある溝かも。私なんかは幸いにもすっかり元の生活に戻れた被災者なので、その立場からすれば原発とか津波とか地震とか、それってもう終わったことなんです。終わったって、そりゃあまだいろんな問題は残ってますよ。何もかも解決したわけじゃないですよ。でも、もう「終わった」。少なくとも、「答えが出た」。既に現状が結果であって、ここからどうするかなんて、どうするも何も、極力普通の暮らしをして日々を過ごす以外ないじゃないですか。
というか、多分被爆はしてるんですよ、多少なりとも。でも、うちは子供がいるわけでもないし、ああ、自分たちの寿命が少し縮まるのかもなって、そう受け入れるのが最良の選択なんですよね、今のところ。もう既に、そうやって答えは出てる。
でも、考えてみればそうでない多くの人というのが日本にはいるわけで。その人たちからすれば、依然「不安」なんでしょうね。これからやってくる脅威。

前にも震災直後くらいにギャレリアで書いた気がするけど、今回被災しなかった人は、だからこその不安があるんだろうなと。人間は、現状を基準に考えるから。今は大丈夫となると、じゃあ、明日は明後日はって、身近なこととしてほのめかされたからこそ、来るかもしれない良からぬ事態を恐れてしまう。
そういう立場から描かれた作品だと思いました。

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