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不埒

まっすぐ立ってフラフラ歩きたい

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フェイバリ

ジョニィが来たなら伝えてよ 2時間待ってたと

と、始まる歌があります。
もうね、この出だしだけでね、素敵だなあと。
ここで既に、3人の登場人物がいるってわかる。そして、その関係を想像させてくれる。
詞だけでなく、曲や歌い方から、この曲の語り手のなんとなく諦めたような吹っ切ったような満足したような、そういう気持ちも伝わってくる。

友達なら そこのところ うまく伝えて

と、最後の歌詞はこう。
ジョニィってのは、おそらく約束をすっぽかして2時間も女を待たせる男なんだけど、友達がいて、2時間も待つ女がいて、ああ、そういう奴なんだなって、この2行だけでわかるわけ。
聴けばわかる。何にも語られてなくても、気持ちまで伝わる。

こういうのが好きです。


あなたの 心に 風があるなら
そして それが 春の風なら
わたしひとりで吹かれてみたいな いつまでも いつまでも
だっていつもあなたは 笑っているだけ
そして わたしを 抱きしめるだけ


これも好き。
何も望まない美しさとか潔さとか。こっちに理解を強いることのない懐の広さ、みたいな。
歌い方も本当に気持ちよくて、晴れやかな空と風のようです。


俺の 俺の 俺の話を聞け
5分だけでもいい


この出だしもカッコいいなあ。

貸した金のことなど どうでもいいから

って続くんだからムチャクチャカッコいい。
間違いなく、カッコいいだけじゃなくカッコいい奴らなんだって思う。

ああ、でも、「待ってる」というシチュエーションがわたしは好きなのかも。「来るんだか来ないんだか分からない奴を待ってる」ってなると、もっともっと好きなのかも。


Si 俺たちはいつでも 二人でひとつだった

ここまでだけならそうでもないのに、

地元じゃ負け知らず そうだろ?

って言われると、ああ、いいなーってなる。
「そうだろ?」ってね。


どう思うだとか感じるだとかどんな奴だとか、そういうのって、説明してしまうと興ざめだ。
何で最近は歌でも何でも、そういうのそのまま言っちゃうんだろ?

逆に、「桜坂」って、最後まで聴いても結局何ひとつわからんとこがすごいよね。別れたのか別れてないのか死んだのか振ったのか振られたのか、最後まで聴いてもまったくわからんていうか、聴いてる途中で聴いてることを忘れてしまっていつの間にか終わってる。

シャケと知っていたのに
海苔は巻いているのに
ウーイェイ (?)
梅は今も 口の中に


って、うちではそう歌うことになってます。あまりにわからんから。


わたしがあんまり好きなものの話をしないのは、大抵わかってもらえないからです。
知られてない場合がまず多いし、自分なりの文脈があった上での「好き」なので、説明してもなかなか伝わらん。
しかし最近自分の心が荒んでいるのを感じるので、好きなものをブログで褒めていこうという試み。

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