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震災の後のGWだから、一昨年ですね。食器がいろいろ壊れたから、あちこちで揃えて、すごく気に入ってた湯呑の代わりは、折角だからこの機会にいいやつを探そうと、乾馬窯という工房に行ったんです。そこも震災でたくさんの作品が割れてしまっていたのですが、残っているものを見せていただきました。で、その時買ったぐい呑みがスゴイという話。
実はこのぐい呑み、既に端を少し欠けさせちゃってるんですよね。焼き物ってこういうの嫌じゃないですか。気に入っていればこそ、すっごいそこが気になって、使う度に気が滅入る。
でも、このぐい呑みは、それも何かいい。それはそれで様になる。それがスゴイ。元々買う時に、ものすごくあれこれ手にとって見比べて買ったんですよね。一見、同じなんですよ、どれも。揃って煮しめたような赤と緑の濃淡の組み合わせで。でも、ひとつひとつ見ると、いいのとそうでないのがある。何が違うのかわからないけど、確実に違う。特別に美しいものがあって、それは印を確認すると、匠の作なんですよ。お弟子さんではなく。何だろうね、あれ。じーっと見てると違って見えてくるんだよね。
匠は、正に匠でした。風貌から、喋り方から、しかも目がほとんど見えないと。「ふたつの目が見えなくなったら、10個の目があった」と、両手のひらを見せられたとき何も言えなかったね。そうなん…だろうなあ…と。即身仏みたいな神々しさ。そりゃあこんな人が作ればこんなもんができるわ。
すごく貴重な体験でした。また行きたい。今度は片口か湯呑み買う。でも、その時気に入ったらそれ買う。
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