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今朝、6巻まで読んでいたらですね、「この雪が愛、この空が愛」とあるじゃないですか!! そうだよ! トールズさんは愛! 戦いの先に愛がある。愛ゆえに戦う。愛のために。的たるアシェラッドが戦いで、その先に広がる大空たるトールズさんが愛。ちょ、自分天才じゃね? 図らずもテーマを抱合してる! そう、ヴィンランドサガのテーマは愛です。でしょ?
と、思えば西部劇からの流れで(リー・ヴァン・クリーフがリアルアシェラッドだから)ヴィンランドサガを読んで考えて、はっきりわかった。今の少年漫画に足りないものは、愛。つっても、そこまで少年漫画網羅して読んでるわけではないんだけど。
少年漫画って結局、鳥山明以前と以後に分かれると思う。お笑いがダウンタウン以前と以後に分かれるように。現実といえば聞こえはいいけど、目先の小さなものを追うようになった。はるか遠くにあるとはいうけど見えもせず、手に入る保証なんかまるでない壮大なテーマを捨てた。鳥山明がそうだというわけではないんだけど、誰が見てもわかりやすく楽しいもの、子供にも分かるワクワクに、みんな中毒になった。子供に懐石料理なんか味わえないけど、ジャンクフードは大好き。お子様ランチのフルコースみたいなもんだよ。冒険とか、友情とか、勝利なんてさ。お子様ランチのフルコースがあるなら、大人の味なんかわかりたいとは思わないよね。
今の少年漫画は、お笑い界でいえば千原兄弟とかのダウンタウンフォロワーが一線に出てきた段階で、まだ電波少年も始まってないんじゃないか。ダウンタウンの次のカリスマがいつまでたっても現れないから、「笑わせる」ことを諦めて「笑われる」を始めたのが電波少年なんだそうな。確かに。
しかし昨今、連載の長期化が進んでおいて、そこに大きなテーマがないなんて、それってどうなの。男の生き様が描かれる少年漫画がないよね。作品の殆どが壮大な異世界を設定しておいてさ。そう、この結論が出ない感。「男とは」が語られることがない。「男の人生とは」というテーマがない。その解はそれぞれであっていいのだろうけれど、でも、結局は愛なんじゃないですかね。それもひとつのあるべき形じゃないんですかね。鳥山明以前の少年漫画には、少なくとも名作と呼ばれるものには、愛があった。
個人的に、その結論が物語を読む上での最大のカタルシスなのです。自分の選んだ作品を並べてみれば一目瞭然。地院家若美も、AKB49も、暗殺教室も(テーマ自体は)、リリエンタールも、サムライうさぎ(あくまでテーマは)も、初期のナルトだって、エデンの檻の最終回直前までだって(あの最終回だけは絶対許さんが)、愛だったじゃないか。もちろんあしたのジョーも北斗の拳も、ジョジョ1部2部も。
今の少年漫画には絶望が足りないとかいう論調があって、私自身もヒーローがいないとかほざいてたけど、違うわ。愛がないの。一生かけて追求するに足るテーマがないの。
補足しておくと、ダウンタウンもドラゴンボールも、突出した「生の実感」があったんだと思う。今まさにそこに生きているような快感。ライブ感とでもいうのかな。見る側の血と肉を震わせる強さが。高河ゆんも多分同じで、女オタク向け漫画は彼女以前と以後に分かれるんじゃないだろうか。
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