不埒

今、考えてきたいくつかのことがひとつにまとまりそうなんだけど、まだ全体のアウトラインがスッキリしてないので、まとまった一部分だけ。
人生の言い訳っぽくならないように気をつけて書く。

日本の国語教育の話。

日本の国語教育って、洗脳だと思う。
あれは、論理性を教えるものではないんですよ。だからといって、豊かな情操を育むためのものでもない。

そもそも論理性なんてものは、あってないようなものなんですけれども。
「ＡならばＢである」なんて、そんな論法には全く意味なんてないんですよね。
全くというのは言い過ぎかもしれないけれど、限られた同属集団の中でしか通用しないと思う。
だって、「ＡならばＢってことないでしょ」って、前提に同意を得られなかったら、そこまでじゃないですか。その前提を共有する人間の間でしか通用しないもの。

で、国語教育というのは実は、限られた同属集団に入るための訓練なんですよね。
「ＡならばＢである」という洗脳。世間一般に通用する、あるいは望まれる概念の刷り込み。
小学校では小学生として世間で望ましい概念を、中学校では中学生として。
振り返ると、習った内容ってそういったものだったと思いませんか。
小学校の国語では、人道的に正しい答えを書けば正解だった筈。世間としては子供には、まずは善悪の区別をつけてほしいんです。社会で基本となるものさしを与える。
中学校になると、正しいとか間違ってるとかもちろんあるけれど、世の中それだけでは割り切れないということを教わります。ものさしを少し柔軟にさせるんですね。

で、高校の国語は、わたしは受験を見越した授業しか受けてないのでその他のカリキュラムについてはわかりませんが、あれは完全に、「教授という人種の思考・言論を受容するための訓練」だと思います。
実生活でそう有効とは思えない無駄に難しい言葉や漢字。古文漢文の登場人物の、現代社会とはおよそかけ離れた行動規範や精神。
あれのゴールは、教授のロマンなんですよ。狭い世界で言葉をこねくり回してるおっさんに付き合えよ的な。

高校のときにこれに気づいて、わたしは非常に腹が立った。
それまでわたしは、国語っていうのは、自分を外に伝えるための手段を身につける授業だと思ってたんですよね。
それが実は、現実を何一つ動かせないおっさんの話を聞くためのものだったなんて！　それがゴールだなんて！
「わかれよ、俺の言ってること・・・」って知るかバーカ！！
わかってほしかったらわからせろよ！！　何年も日本語いじり倒して、その程度のスキルも身につけられんかったダメ大人の理屈なんか、理解しても何の役にも立たんわ！！^※

折りしもわたしの高校生時代は、「ＡならばＢである」って前提が通用しない相手に伝える方法を超絶知りたい期だったんです。まさに今それが必要！！という時期だったんです。そこを解決しなくては、何も勝ち取れない状況だったんです。
そんな時に、まだ会ってもいないおっさんの言うことなんか理解するのに暇を割く余裕はなかった。

今思えば、そんな人間は大学（しかも文系）にいくべきではなかったんだけど、何の間違いか進学してしまったんですね。
そしたらやっぱり、ゼミというもの空気が耐えられず、担当教授を怒らせてとかまあ色々。
あのゼミという空間の、どこにも進めない感じが嫌だったんです。同属だけで溜まって、いつまでも既に出た結論を口遊んで陶酔している空気が。
「現実に何の働きかけもしないでここで文句ばっかり言っててそれでいいんですか？」って、一番言ってはいけないことだったかもしれないけど言ってしまったのがまずいってことはさすがにわかる。
(今気づいたけど、某カップリングの人たちを気持ち悪いと思ったのと、これ全くおんなじですね。
  まあ、あれは趣味だから、やりたい人はそれでいいんだと思うけど。)

わたしは自分をいわゆる理系の人間だとは思わないけど、基本高校数学で習った概念で生きているのは確かです。
それぞれを読み解くのに一番いい軸を取って、そこに座標やグラフを描く。そういう理解の仕方がだって一番いいんだもの。何にでも使えるんだもの。前提をそのときそのときで設定すればいいんだもの。
古文漢文さえ、そうやって読むとものすごく役に立つ。
国語教育も、高校からそういう要素入れればいいのに。無理か。大学受験を意識する限り。でも、大学受験があるからこその高等数学で、高等数学あってこそできる見方なんだけどなー。
（だからこそ余計無理だろうとは思う）


※ でも、そういうおっさんたちを理解（するふりを）して世の中を渡り歩くスキルは、今思えば現実世界で一番使えるスキルなんですよね・・・。痛感。