不埒

「しかたねーなオメーは」
この台詞で落ちない女もとい処女はいないんじゃないか。いや、断言する。この台詞で落ちない処女はいない。ただしイケメンに限るとしても。イケメンでなくて年上女性であってもＯＫだとしても。

思えば数知れず、わたしは処女を落としてきた。処女の落ちやすさったら。あいつらのロックって、特定の相手にしか効きやしない。完全に遊び（体）目的で決まり文句を口切に近づいてくる男にしか。このうちの条件ひとつでも外れてれば、途端にロックはゆるくなる。あるよね、そういう接着剤。垂直方向の力には強いけど、水平方向には簡単にスライドしてしまうのとか。まあ、確実に自分をもらってくれる責任感と包容力のある人間にはタイミングを逃さず飛びつかなくてはならないから、そういう機能がついてたりするんだろうけど。でも、水平方向に踏ん張るのに疲れてきたころに近づいてきた「女」に対して無防備なこと。
女たちの望みって結局、欠点も含めて許して愛して受け止めてくれること、なのだろうな。
だから、「お前はほんっと○○だな！」とか弱みに突っ込み入れつつ、且つ、「しかたねーな」って結局面倒見てくれたりすると、至極簡単に落ちる。女らしくねーと言いつつ、勉強できねーなと言いつつ、ブサイクだなと言いつつ、胸ねーなと言いつつ、それでも全部否定せずに受け入れてくれるみたいなのを望んでる。女らしくないけどしかたねえな、勉強できねえけどしかたねえな、不細工だけどしかたねえな、不細工でも胸なくてもしかたねーな、お前はよ。わかったわかった、黙ってろもういいから、って、軽くぶっきらぼうに抱き寄せられるとなんかもう駄目なんだろうな。
だから、銀さんてモテるんだと思う。あの言動トレースしてれば、絶対モテる。まあ、ある程度イケメンに限るけど。でも女なら、まずモテるよ。処女にだけどな。