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不埒

まっすぐ立ってフラフラ歩きたい

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それは、波

坂本の死後、陸奥は遺言に従って彼の知人2人の元へ赴く。預かりものを携えて。
そして3人で生前の彼を思う。偲ぶというよりは、確認するように。そうそうそういう奴だったと。生前もひとつ所に留まることのなかった故人が、今でもどこか遠くを気ままにふらついてているだけで、そのうち派手な爆発や轟音とともに現れるような気さえしながら。
よく晴れた浜辺で、遠くの煙突から上る煙を眺めながら。

2人は言う。あいつは「空から降ってくる何か」だと。
いつも突然で、何の前触れもありやしない。よしんばあったとしても、こっちに選択の余地はない。否応なく降ってくるそれを、いつだって避けられずに巻き込まれてしまうんだと。そして去るのもまた急で、引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、後片付けは結局全部丸投げだと。夕立ち程度なら濡れたですむが、竜巻だったり隕石だったり、天災レベルだと。
それに対して、陸奥はこう言う。あれは、喩えるなら「波」だと。
気づけば勝手に遠くにいってしまっているけれど、それでも必ずまた戻ってくるんだと。とり残されて不安にも思うけれど、寂しくもあるけれど、いつか帰ってくるのがわかっていると。そばにいなくても音が聞こえる。離れていても存在を感じられる。それは、今も変わらないと。
青い空の下、心地よい風の吹く浜辺で、3人は波の音を聞きながら、そんなことを言い合う。

なんて話を描こうと思ってた頃がありました。

あとは、総悟が夜中にふと目を覚ましたら、そこに坂本が寝ていてものすごくびっくりする話とか。今まで一度も眠る姿を見たことがなかったのにって。
視線に気づいてか起きて穏やかに微笑む坂本に、安心したような不安で仕方ないような気持ちになって、つい泣いてしまう総悟。
それからしばらく会うことはなく、ある日普段読まない新聞を気まぐれに開いて、訃報を知る。
「土方さん、葬式って花でしたっけ、持ってくの。饅頭?」なんて聞いてみたりして。
何の話だかわからない土方の隣で、新聞に目を通してた近藤さんが呟く。
「亡くなったのか…坂本さん…」
て、むっちゃ細かい描写まで構想進んでたよ。
ほんとにさあ、好きだったのよ、銀魂の全部が。カップリングなんかでは妄想も理想も収まらないくらい。

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