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不埒

まっすぐ立ってフラフラ歩きたい

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血よりも濃い

ジョージの話。でもやっぱり自分の話かな。

血は水よりも濃いというけれど、確かにそうかもしれないけど、血よりももっと濃いものがある。それは、「業」。
ある人は、ジョージ秋山は業を描く漫画家なのだという。業とは、生まれる前から背負っている運命。特に、そのうちの重いもののことだ。
業は重い。その分濃い。背負うのは辛いが、生まれた時から背負っているものだから、その大きく重い存在を降ろすのも、充分に不安なことだ。これを失っても自分は地に足をつけていられるのか? 何を根拠に生きていけばいいのか? 自分自身はその形すら失ってしまわないか?
血はおそらく、地面なのだと思う。基本となる足場。出発点。帰ってきて初心を取り戻せる慣れた土地。
それに対して業はといえば、泥、泥濘、沼。きっとそういったものなのだ。立てない。沈む。埋まる。いるだけで出発点よりマイナスに向かう。そして、簡単には抜け出せない。まとわりついてまとわりついてまとわりついてまとわりついてまとわりついてまとわりついて、もがけばもがくほど取り込まれて沈んでしまう。何とか抜け出せても、臭いはまだまだ消えやしない。他所で他と触れ合うにつき、嫌でも自分の悪臭を思い知ることになるのだ。
洗って洗って洗って洗って洗って洗って洗って、削って削って削って削って削って削って、それでも消えない臭い。その時初めて気づく。ああ、この臭いが自分自身だと。表面が汚れているのではない。自分の中にあの泥は満ちているのだと。それどころか、無限に湧き出る底無し沼が、核のところにあるのだと。

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