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不埒

まっすぐ立ってフラフラ歩きたい

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台詞の価値

漫画遍歴語り2回目ですが、書くことは決まってたのにこんなに遅くなったのは、絵を描こうかと思っていたからです。説明するのに、記憶からコマを描き起こそうかなと。
結局今は別に描いてるやつがあって、そっちの目処が立たないのでやめました。

というわけで、

「AKIRA」(大友克洋/講談社)
と、

「こんにちは劇場」(くもぎり太郎/ラポート)
を挙げつつ書いてみる。

金田のベストカットは、「ヨタヨタのジャンキーどもになめられてたまるかよ こちとら健康優良不良少年だぜ」か、そうでなければ「やんだかな・・・」なんですが、わたしに最大のショックを与えてくれた台詞は、「スゲエや 今度産むとこ見せてよ」なんですよね。
あの台詞は、当時バリバリの処女だったわたしにはあまりに衝撃的だった。もんのすごい心の痛いとこをえぐられた。そこから、わたしの酷い男趣味は始まったかもしれないというくらい。ああいうナチュラル鬼畜が好きになったのは、間違いなくあれ以降。ファーストインパクトだった。
で、わたしは自分が描くにも、きっとそんな台詞を書きたいと思っているのです。当時の処女だった自分がショックを受けるような台詞を。趣味に偏って描くときは、それを一番に意識して台詞を考えてる。
と、こう書いたところで、あー、なるほど!って思ってくれる人がいてくれたら非常に嬉しいんですけど。
坂本とかね、描いてたときはそれがすごく楽しかったんですよね。坂銀にせよ坂沖にせよ。器がでかそうな台詞もいいんだけど、実際気持ちいいのは酷い台詞なんです。いっそ今の自分自身にすら鋭角で刺さってくるようなものでもいい。そんな台詞が気持ちいい。

あとね、一條和春(くもぎり太郎)さんが描いてらした漫画教室(?)での台詞観も、わたしの中に多分ずっと残ってて、時間の経過とともに大きくなっている。
人斬り以蔵が、「・・・・・・」て一拍置いてから、「細ぇ刀だな」って言うんですね。おそらく、敵が立ちはだかった際の台詞だと思うんですけど。
一條さん曰く、その「・・・・・・」には敵の急襲にもその得物を観察するだけの余裕があること、そして「細ぇ刀だな」には、「そんな武器じゃ俺は倒せねーぜ」という意味が含まれてるのだそうで。
わたしはその解説を読んで、ああ、これが台詞だ!と思ったんです。
ただ思ったこと、正しいこと、言いたいことをそのまま書くだけなら、わざわざ話を作る必要はないじゃないか? あえて舞台を設定し、キャラクターを立たせ、何かを起こし何かを言わせるのは、そのままのメッセージを送るより、より強く印象づけ、深く理解させるためじゃないか。なら、そこで描かれる台詞というのは、生のメッセージより短く鋭く強くなくてはいけないのではないか? しかも漫画は、言葉だけでの表現ではないんだから。
多分そういう価値観がそのときに植えつけられて、だから描けば描くほどに台詞を削るようになったんでしょうね。サイレント漫画描くの好きだったり。
ていうか、わたしの漫画ってかなり「・・・・・・」が多いと思う。読んでくれてる人は気づいてないのかな。描いてるときはそんなに気にならないけど、あとで台詞を打ち込むとき、貼ってるときに、あまりの三点リーダやダッシュが多さに自分でびっくりする。

漫画の台詞って、そこに書かれた言葉以上のものを表したり含んだりしているべきだと思うんです。
そんなわたしからすると、こういうの→http://blog.livedoor.jp/deal_with0603/archives/51631407.html は身震いするほどカッコいいし、これ→http://copypa.blog99.fc2.com/blog-entry-1773.html の1はまさにそのとおりだと思う。
まあ、子供向けのものにそこまで求めるのは多分間違ってるけど。

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